「愛犬と特別な関係を築きたい!」
レトリーバーの飼い主なら誰もが願うその思いの実現を
"ヒッチハイクによる旅"という形で試みた一人の男と1頭の犬。
旅に出るまでは、どこにでもいるような普通の飼い主と家庭犬。
無謀とも思えるその旅によって、一人と1頭はどう変わっていくのか…?
〜筆者〜
氏名:武岡史樹(たけおかふみき)
生年月日:1974年3月29日
東京都在住の30歳。8年間勤めた金融機関を脱サラし、大型犬のためのセルフ・シャンプーとトリミングを中心とした、犬のケア施設を開業するため現在奮闘中。
経営資源の確保と会社設立の準備に走り回る毎日。
以前から夢見ていた愛犬ソアラと二人きりの旅を実現するべく、シロート二人、大自然の待つ北海道へ旅立つ

〜連れ〜
氏名:武岡ソアラ(そあら)
生年月日:1999年7月19日
東京都東村山市出身のフラット・コーテッド・レトリーバー。
フラットのくせに黒ラブより短い被毛と、かけっこでは誰にも負けない体力が自慢の5歳の女のコ。
現在都内の賃貸マンションで人間の夫婦とともに生活する。
物好きな同居人のせいで経済的に安定した生活を奪われたあげく、東京−北海道を徒歩とヒッチハイクで移動するという過酷な旅に連行される



第5回「5月23日」
「ヒッチハイクのマナー」

 ヒッチハイクをする場合、そこに何か決まったルールがあるわけではないが、初めて出会う人のクルマに特別な厚意で乗せてもらう以上、最低限守るべきマナーというのは存在すると思う。

 もちろん、マナーとは言っても、そんなに堅苦しいものではなく、ドライバーに運転させておきながら眠ってしまうようなことはしないとか、勝手にタバコを吸い始めたりしないとか、ごくあたりまえの常識を守れば、基本的には何の問題もない。

 しかし、犬と一緒の旅では、それ以外にもちょっとした工夫があると、さらにスムーズなヒッチハイクができると思う。

 第2回の「犬連れヒッチハイクは難しいか」でも書いたが、今回の旅では、犬がいたからクルマを停めてくれたという人が多く、実際、ヒッチハイカーを乗せるのは初めてだというケースがほとんどであった。そして、彼ら自身もヒッチハイクの経験は全くないのが普通である。

 ゆえに、このような旅をする人間がいったいどんな人種なのか最初は見当もつかず、クルマには乗せたものの、心のどこかにちょっとした不信感が残っているのは事実だと思う。

 乗せてもらった方としては、まずドライバーに安心してもらうための最大限の努力をするべきで、簡単な自己紹介や、どんな旅をしているのかを、わかるように説明し、乗せてよかったと思ってもらえるように、楽しく会話を盛り上げていくといいだろう。

 いったん打ち解け合えれば、後はだいたい犬の話をしていることが多い。近所の公園で散歩中にたまたま出会った飼い主同士が交わす会話と、基本的には同じようなものだ。

 それから、土足のソアラが車内を汚さないように、レジャーシートのようなものを携帯し、バッグのポケットからいつでも取り出せるようにしておくと良い。ソアラを座席の上に乗せてもらうことが何度もあったが、特に雨の日などは、レジャーシートがあると非常に便利だ。そのまま乗せて構わないよとドライバーが申し出てくれる場合もあるが、こちらであらかじめ、座席を汚さないための手段を用意しておくのは、当然のマナーであるだろう。


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